レンタルサーバーで使われているWebサーバー色々

見直されるWebサーバー

一般的にWebサイトやブログサイトを作成して公開しようとすると、ブラウザで閲覧可能なHTMLファイルを転送する、Webサーバー又はHTTPサーバーと呼ばれるサーバーソフトが必要になります。共用レンタルサーバーは、このようなWebサーバーという役割を果たすサーバーソフトを採用しておりますが、最近では重視する性能や機能によって、レンタルサーバーを構築している企業毎にいくつかの選択肢が生まれるようになりました。

Webサーバーの歴史

一般的にソフトウェアを利用する際は、大抵目的があってそれを果たせるような機能が含まれる物を使いますが、つい数年前くらいまでは企業が利用するWebサーバーとなると、選択肢が「Apache(アパッチ)」と呼ばれるWebサーバーのみでした。

ところが、今から10年ほど前に「Nginx(エンジンエックス)」が採用されるようになり、また最近では「LiteSpeed(ライトスピード)」と呼ばれるWebサーバーが採用されるようになりました。長く覇権を握っていた「Apache」でしたが、その理由はサーバーソフトとしての「安定性」を重視してのことでした。一般的にサーバーと分類されるソフトは個人がそれぞれ利用するソフトウェアに比べると、止まってしまったりバグってしまったときの影響範囲が顕著に広大で、安定稼働するWebサーバーがそれまで「Apache」しかありませんでした。

しかし、現代の情報社会の急速な普及により、IPアドレスの枯渇が叫ばれるようになりIPv6が使われるようになったり、HTTPSと呼ばれるセキュリティーを意識した通信方式に、他の業界ではありえないほど速いスピードで切り替えられることになりました。もちろん、Webサーバーもその対象となり、「安定性」のほかに「処理スピード」が重視されるようになりました。

存在感を増していく「レスポンス性能」と相対的に下がった「安定性」

まるで、「処理スピード」のために「Apache」からの変更が起こったようでありますが、「安定性」が捨てられたようにも思えますが、そうではないようです。情報社会の急速な普及により「安定性」だけでは、サーバーソフトが耐えられないことが発生するようになったためです。

皆さんは「サーバーが落ちる」というワードをお聞きしたことがあるでしょうか?

サーバーの処理速度には限界があります。限界を超えると、サーバーがバグりエラーとなります。昔はインターネット上のトラフィックが決して多くはなく、処理能力が超えたためにWebサーバーが機能停止することはあまりありませんでした。しかしながら、年々トラフィックは増大していき、やがてスマーフォンの普及で爆発的にインターネットの利用者が増えたことで、「安定性」だけではWebサーバーが持たない事が増え、「安定性」のために、「安定性」よりも「処理スピード」を重視していくようになりました。

後発の「Nginx」と「LiteSpeed」

まず、「Apache」の後発として「Nginx」が普及しました。サーバーソフトによるレスポンスの方法や仕組みについては端折りますが、「Apache」ですでに「処理スピード」の限界が見えていたコンテンツでは、新しいWebサーバーである「Nginx」にこぞって乗り換えることになりました。その後、リリースされた「LiteSpeed」は「Nginx」の仕組みに加え、キャッシュデータの管理方法を効率化することによって、さらにWebサーバーへの負荷を抑えることが出来ました。これら、新たなWebサーバーによってレンタルサーバーを提供している企業は、主にハード面においてサーバーのコストを下げることができるようになり、増大したトラフィックに対応しつつも「安定性」を保ったWebサーバーを運営することができるようになりました。

もし、後発のWebサーバーがなく「Apache」だけで、現在の「処理スピード」を実現しようとするならば、ハードウェアのコストをもっと上げなければなりませんでしたし、電気代も増大していたと考えられます。そうなると、レンタルサーバーを利用するWebサイト制作会社も、制作費が下げることが出来ず、今より高い制作費となっていたことでしょう。

「安定性」を実現するために「処理スピード」に舵を切って、「安定性」を保つという綱渡りのような方法でしたが、今のレンタルサーバー業者はコストが下がったことで、イニシャライズコストが下がり業者が次々と生まれるようになったのだと考えています。

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