サーバーの利用形態
ホームページを作成しようとした場合、どのようなWebサーバーを構築することが一番適しているのか、判断する必要があります。
1つ目は、「さくらのレンタルサーバー」や「ロリポップ」といったHTTPサーバー提供サービスを利用する方法です。この方法では、「共用サーバー」というカテゴリに含まれます。具体的な例として、ブログや企業向けホームページなどをHTMLとCSSとJQuery(JavaScript)といったコンピューター言語で作成する用途には、一番適しているといえます。
2つ目は、「さくらのVPS」や「ConoHa」などの、”KVM”や”openVZ”といった仮想化技術で、仮想化されたゲストOSを利用する形となるが、クリーンインストール直後のOSのような環境で、HTTPサーバープログラムなどを自分でインストールしてHTTPサーバーを提供することになります。
3つ目は、個人で、自宅などにApacheなどのHTTPサーバープログラムを個人でインストールして設定ファイルの編集を行い、また、ウイルス対策やポートスキャンといった外部からの攻撃も、個人で対策を行う方法です。この方法では、HTTPサーバー公開にあたって特にサービスを利用するわけではないので、ランニングコストは1円たりともかかりません。
さて、ここまでHTTPサーバーを公開する方法を簡潔に紹介したが、イメージとしては下の図のようになります。
この図において、「共有サーバー」と呼ばれるのは、いわゆる「レンタルサーバー」という名前で、一番目に説明した「さくらのレンタルサーバー」などが該当します。この型のサーバーの特徴としては、まず、インフラに当たるサーバー稼働率やメンテナンスなどをHTTPサーバーのプログラムを提供している側が、すべてメンテナンスをしているということです。もう一つは「静的なホームページ」は向いていますが、Webプログラミングやサーバーサイドスクリプトを使った「動的なホームページ」は、サポートしていないことが多く、仮にサポートしていてもサードパーティー製のライブラリなどは使えないため、適したサービスではありません。
次に、「仮想専用サーバー」と呼ばれるのは、主に「VPS(virtual private server)」という名前で、二番目に説明した「さくらのVPS」や「ConoHa」などが該当します。このタイプの特徴としては、一台のサーバーを共有して使うという点は「共有サーバー」と同じですが、「専用サーバー」のように、Linuxのなんらかのディストリビューションを使うことが多いのですが、サーバーとして利用するOSの管理者権限を取得することができます。つまり、HTTPサーバーやFTPサーバーなど、またはPHPの実行環境など自分で設定できます。
Linuxの知識があり、小規模なWebアプリケーションを開発・運用するときなどは、最も正解に近い選択肢だと考えます。
一番下の「専用サーバー」というのは、大きく分けて2種類の方法での開発・運用の方法があります。一つは、自宅などで自前のサーバー用のパソコンにOSやツールをインストールして、すべての設定とインフラ(ファイアウォールやLANケーブルなど)といったハードウェアも含めて個人で設置する方法です。もう一つは、ハードウェア部分のみを外注する形で、「専用サーバー」を提供している業者に依頼する方法です。この方法では、一見、割安になるイメージがありますが、その反面として、業者のサーバーの機材を一台まるごと占有することになるため、結果として多くの費用が掛かります。また、「専用サーバー」のサービスは病院や電気系統など一瞬でもダウンしたらいけないような利用者が多く、高い稼働率を維持するため、ネットワーク管理者などが夜も待機して対応に当たるようなことを想定されています。
他にも、HTTPサーバーを提供する方法はありますが、大きく分けて今回紹介した3種類のタイプから選んで、適切なサービスを選択していくことが大事になると考えています。